201612月例会のご報告

             音楽療法について(話題提供者:牛田聖子氏)

 1218日(日)ココネリ多目的室でいつもどおりの例会を行いましたので、そのご報告です。今回の話題提供者は、2014年の設立講演会にもまた今夏の映画上映とシンポジウムのイベントにもご出席くださった牛田聖子さんにお願いしました。

  牛田さんは東京音楽大学ご卒業で、専門は作曲。歌詞を覚えたり、うまく歌うことを強要される義務教育課程での音楽に疑問もち、音楽本来の力に注目してきました。ご自身のお子様やお友達が音楽と遊ぶ中で音楽療法に興味をもたれ、日本音楽療法学会認定音楽療法士の資格を取得されます。効果が求められる「治療」の世界とは別ながら、療法の解釈を音楽のもつ効能から、その社会的効果を認め、意図的に音楽を使用することにより、様々な障がいをもつ子どもたちの現状の改善へとつながる実績を重ねてこられました。障がい特性に合わせて音楽を処方するという方法です。

 2007年に「音の輪」を立ち上げ、3年間は社協の支援を受けながら、月2回一年24回のセッションを基本として、67人のスタッフとともに子どもたちに接しています。現在は会員たちによる自主運営組織です。またゆめりあホールでは、年2回「思いっきり騒いでもいいよ」コンサートを開催、静かに聴く音楽会の常識を一変させています。

 先日私の友人が10年続けてきたコンサート「心の唄~共に生きる」の最終回を終えました。会場には高次脳機能障がい者たちが集まり、それまで静かだったのが、演奏が始まると大きな声(奇声)をあげて、全身で喜びを爆発させました。会場が感動とともに一体となった瞬間でした。まさに“共に喜び、共に生きる”場でした。

  少し練習方法をお聞きしました。34人での打楽器を自由にたたくグループセッションが基本、みんなで合奏を行います。初めは、自由勝手、めちゃくちゃにたたいていた子どもたちがいつしかまわりの音に合わせるようになる。

 役割分担が何となくできてくる。そして、演奏には終わりがあることを理解するようになる。見通しをもたせてあげることができる。こうして、音楽に対する感性が育っていきます。また生演奏であることに意味があり、CDやレコードなど別音源からの音楽では、できない効果であることもお話になられました。

今後は、効果、効能がしっかりと見える工夫がついてくると、今までとは違った音楽の力の領域を広げることにつながると感じます。またその方向を支援する脳科学の分野の極めて速い進歩は、こうした一件あいまいな、しかもとても大切な分野の働きをメジャーにする後方支援を強力にしてくれるように思います。今後の更なるご活躍に期待したいと思います。牛田さん、ご参加のみなさま、ありがとうございました。(報告:森本)

 

◆お知らせ◆ 牛田さんの企画するイベントのお知らせです。(終了)

コミュニティ音楽療法

日 時: H29年2月26日(日)13:30~15:00   

場 所: こども発達支援センター 1階 多目的室 

       (練馬区光が丘3-1-1 /光が丘第三中学校隣)

都営地下鉄大江戸線「光が丘駅」A5出口から徒歩10

国際興業バス(光010203)、西武バス(練高0102)いずれも「高松四丁目」下車徒歩2

障害者手帳をお持ちの方は、無料で駐車場をご利用になれます

対 象: 音楽を楽しみたい方   子どもから大人まで年齢は問いません

練馬区外の方もご参加いただけます

講 師: 牛田聖子(音楽療法士) 

内 容: 色々な打楽器で即興演奏をしながら、音楽でコミュニケーションを楽しむ

参加費: 500円 先着25名位まで  (人数に余裕があれば当日も受け付けます)

申し込み方法: 事前申し込み(子どものための音楽療法サークル「音の輪」まで)

                メールまたはFAXでお申し込みください

                 E-mail  otonowa2006@yahoo.co.jp

 メール申し込みの方には上記アドレスより返信しますので、

 携帯の方は受信可能な設定をお願いします               

FAX専用番号 03-6760-0896 

                          *折り返しご連絡致します。

                    1週間を過ぎても連絡が無い場合は、再度お問い合わせください。

       

 

 障がいのある方は、安全のため、付き添いの方とお越し下さい。付き添いの方も一緒にご参加いただけますが、その場合は

 参加費が必要です。


201611月例会のご報告

『選別』される社会 相模原事件をとおして<問い・語る>

 

久しぶりのご参加のSさん、多忙なスケジュールを割いて終了間際でも駆けつけてくださったOさん、そして、いつも身近にいてくださるYさん、Fさん、休日にも関わらずにご参加ありがとうございます。 

  2時間の短い時間ではありましたが、Sさんのこの一年、拡大・発展・成長してきた活動紹介から始まり、この会の大枠をとらえる意味で、よいお話の場となったかと思います。 

  2011311を機会として、「対話」を求める活動が大きく動いた、医療や福祉の現場も「対話」という手法を通し、哲学的解釈をしていく必要性を関係者が意識し始めているという、この視点は、ご参加のみなさまに共有されたと思います。またこの会にも共通する何かに向かう一本道かとも。ご紹介いただいた、『選別』される社会 ~相模原事件をとおして<問い・語る>哲学対話~は、その意味でもよい企画となる予感がします。 (上記青字太線の部分をクリックすると「対話学舎えんたらいふ」 ホームページにジャンプし、詳しいお知らせを見ることができます。) 

 Oさんからは、八面六臂のご活動紹介から、これからの地域創生は、“そこに住まう人”が自分たちのため、自分たちの手で、自分たちの住み易い社会を創ることだとの話をいただきました。一人ひとりの力と意欲がうまくマネジメント

 されることが大事であり、その経験は我々にある。あとは、意欲を引き出す仕掛けとそれが継続し、回っていく方法が大切である。地域に点在する“働きの点”を、今までの縦方式ではなく、横串刺しにしていくことなど、これからの社会を見据え、創生する視点からのご指摘でもあり、また実践者としての言葉の重みも感じることができました。 

 Yさんから事前に提出をいただいていた具体的行動指針とその議論を深めるところまで行きつくことができずに終了したのは残念ですが、それぞれがメールでの提言や意見、アイディアをやり取りし、また今後時間をかけて議論していくことを確認しました。課題の共有と方向性の確認はできたように思いますが、個々の具体的落とし込みには少々時間がかかるようにも思います。

 

  いずれにしろ、場の共有と対話から、時間をかけて「生命」の深淵と社会の変容に少しでも近づき、自分事として捉えなおし、社会が抱える課題に向かっていくことができるよう、これからもこの場を継続して、対話をし続けたいと思っています。(報告:森本)


2016年10月例会のお知らせ (終了)

学習院大学目白キャンパスでの講演会参加をもって例会としました。

2016年10月29日(土)学習院大学目白キャンパスでの講演会参加をもって例会とします。

公開講座は新しい社会学「フューチャー・ソシオロジー」の構想について。以前「沸騰都市」のTV番組がありましたが、膨れ上がる社会の課題をどう考えたらよいのか。都市・企業・地域・学校・家族それぞれの領域で社会の新しい捉え方とその実践について、理論、実証、政策の未来から迫る講座です。

◆日時: 10月29日(土)13:30~17:00

◆場所: 学習院大学目白キャンパス中央教育棟303号室

◆内容: ①基調講演:「フューチャーデザイン」

      西條辰義(高知工科大学フューチャー・デザイン研究センター教授) 

     ②都市インフラ:「人工知能と人工社会から未来へ」

      倉橋節也(筑波大学大学院教授)

     ③企業:「人と世界をつなぐ:ネットワーク社会の50年後の姿)

      塚本 鋭((株)クラウドワークス データサイエンティスト)

     ④地域:「地域にとって『未来』とは何か)

      若林幹夫(早稲田大学教育・総合科学学術院教授)

     ⑤学校「学力格差:今日の公教育の課題とその解決に向けて」

      志水宏吉(大阪大学大学院人間科学研究科教授)

     ⑥家族:「未来のかぞくと社会」

      渡邊秀樹(帝京大学文学部教授)

◆参加申込み: TEL 03-3997-6210

 

        メール:bioethicscafe.nerima@gmail.com