脳科学、生命科学、遺伝子工学・・・科学技術を基本としたこれら科学・工学分野は、この数年猛スピードで進んできた感が
あります。 また実際の応用分野においても、テレビ・新聞などメディアを通し、身近な話題となり、人々の口に上る機会が増
えました。 とくに生命については、生命誕生から終焉までを支える医療技術の進化は、驚くほどです。「助かり、永らえる生
命」が 増えたともいえます。一方では、自然災害、事故などで「突然奪われる生命」あるいは、無差別殺人・いじめ・自殺な
どに よって「失われる生命」があるのも事実です。
「生命」から人間を考えてみたい、そう感じてこの会を始めました。何らかの障害をもって生まれる子ども「障害胎児」の
「受容」や「選別」といった課題から、生命の誕生とその生命を育む家族へのまなざしを取り上げ、1回目の講演会を行いまし
た。また障害者の自立をテーマにしたドキュメンタリー映画上映とシンポジウムを2度実施しながら、別途毎月の勉強会を続け
ております。
生命と倫理という言葉は、依然として日常生活からは遠いところにあるように思いますが、医療技術が身近な便利さと
手軽な手法をともない、生命が誕生するその間際まで押し寄せてきている今、倫理という面から、あえてその流れを読み
ながらも、一時立ち止まり、考えてみる機会が必要ではないでしょうか。また、この会は医療専門分野の最先端情報を取り上
げるだけではなく、その周辺にある社会生活変化にまつわる事件、事象や課題を主眼に置いて話題提供していただき、話合う
場でもありたいと思います。様々な考え方の人々や多様な働きの場に身を置く人々、あるいは、こうした課題と価値観に共鳴
と共感をもつ方たちに集まっていただき、対話をしながら、個々の想いを形にして社会へとつなげていくことができればと思
っています。
環境変化に気配りをし、原因結果を考え、自分らしいスタイルで行動しながらもこれからの社会へ希望をもつ仲間たちが集
う、そんな場に皆様とともにしていくことができれば幸いです。
「生命」「倫理」を「カフェ」という柔らかな場と雰囲気でデザインしました。
生命倫理カフェ・ねりま
代表 森本陽子
連絡先:メールアドレス
bioethicscafe.nerima@gmail.com